シクロヘキサン (cyclohexane) はシクロアルカンの一種の有機化合物である。
ベンゼンの水素付加によって作られる。常温常圧で無色の液体で、揮発性がある。極性溶媒には溶けにくいが、有機溶媒に可溶。
シクロヘキサンの大部分はベンゼンをニッケルあるいはパラジウム触媒を用いて接触水素添加(水素化)することで工業的に生産される。また、石油改質の過程で生成するメチルシクロペンタンは触媒を用いてシクロヘキサンに転化し利用される。
工業的に生産されるシクロヘキサンはシクロヘキサノンやシクロヘキサノールに転化され、最終的にはε-カプロラクタム、アジピン酸、ヘキサメチレンジアミンとなり、6-ナイロン、6,6-ナイロンの原料として利用される。
シクロヘキサンの2008年度日本国内生産量は 556,736 t、工業消費量は100,363 t である[1]。また、防毒マスクの吸収缶の試験用ガスとしても、利用される事もある。
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アキシアル・エカトリアル(エクアトリアル) [編集]
シクロヘキサンあるいはシクロヘキサン型構造を持つ環状化合物のいす型立体配座は置換基は環平面と平行方向の置換基と垂直方向の置換基とに分類される。前者をエカトリアル(エクアトリアル、equatorial; シクロヘキサン構造式で青線で示す)、後者をアキシアル(axial; シクロヘキサン構造式で赤線で示す)と呼ばれる。
エカトリアルには「赤道方向の」という意味があり、アキシアルには「極、軸位」意味の単語である。
環を形成する各結合軸で自由回転することでシクロヘキサンの2つのいす型立体配座はふね型立体配座を経由して互いに入れ替わる。この立体配座の入れ替わりにより、アキシアルはエカトリアルに、エカトリアルはアキシアルに向きを変える。一方エカトリアルに比べてアキシアルは置換同士の距離が接近している為、嵩高い置換基の場合は立体配座に影響を与え、アキシアルを避けて置換基がエカトリアル型をとる立体配座が優位になることが知られている。